不動産の権利はとても大切!不動産を相続したなら覚えておきたい権利の知識

相続などで不動産を不意に手に入れてしまった方はとくに、不動産に対する知識に乏しい印象を受けます。

 

当然といえば当然ですが、不動産に関する最低限の知識を身に着けておかなければ自分が、食い物にされてしまう可能性すらあります。

 

不動産を相続して、絶対に知っておかなければいけない知識のひとつとして「不動産の権利」というものがあります。

 

あなたが今持っているスマートフォンやタブレット、PCも「権利」をもとに、自分の所有物であることを証明します。不動産も同じです。

 

不動産に対しても、所有者がいて、もしかすれば抵当権設定者がいるかもしれません。

今回は、不動産を相続した際に困らないための最低知識として、不動産の権利についてお伝えしていこうと思います。

 

物権と債権

f:id:sozoku_concierge:20200506163139j:plain

物権と債権という権利の言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

物権とは、所有権や地上権、抵当権、根抵当権などのものに対する権利のもとを指します。

一方で債権とは、土地の借地権や借家権など、債務に対する権利を言います。

 

もう少し詳しくお伝えすれば、物権とは、本人の意志で物を自由に利用できる権利です。

たとえば、不動産を所有する方が、当該不動産を借家にしようが売りに出そうが、自分で住もうが、すべて自分の意志で決定できますよね。

上記のように自分で意思決定できる権利を「物権」と言います。

 

債権とは、人対人で生じる権利です。

たとえば、あなたが所有する不動産を誰かに貸し出したとしましょう。

あなたは当然に、入居者から家賃をもらう「権利」が発生します。反対に入居者は、不動産を借りる「権利」をもらいます。

 

逆に言えば、入居者はあなたに家賃を支払わなければいけないという「債務」が発生し、あなたも入居者に住居を貸し出す「債務」が発生します。

 

債券の特徴は、債務者と債権者がいてはじめて成り立つ権利であるということですね。覚えておきましょう。

 

物権の詳細

f:id:sozoku_concierge:20200411222643j:plain

物権とは、所有権・地上権・抵当権などがあります。

それぞれの権利についてもう少し詳しくお伝えしていこうと思います。

【所有権】

所有権とは、法令の範囲内で、自分の物を好きにできる権利です。

あくまでも、「法令の範囲内で」ですよ。

たとえば、自分の所有権を主張して、建築基準法に違反するリフォームを行うことは認められていません。

 

もっとわかりやすく言えば、自分が購入した包丁であれば、当然に自分が所有権を主張できます。

ところが、その包丁を持って何をしても良いということにはなりませんよね。

銃刀法違反などの法に抵触する可能性もあります。

包丁で例えれば当たり前じゃん!と思われがちですが、不動産になれば「何でもできる」と思っている方がいるので要注意です。

 

ちなみに所有権者は、必ず1人である必要はありません。「共有」も認められているので、ご兄弟での共有も可能ですよ。

【抵当権】

抵当権には、通常の抵当権と根抵当権の2種類があります。

通常、不動産を購入する場合は、銀行などから借り入れを行いますよね。

もしも借り入れたお金の返済ができなくなってしまった場合には、他の債権者に優先して返済を受けられる。これを抵当権といいます。

 

一方で根抵当権とは、一度弁済された借り入れも取り決めた範囲内であれば新たな貸し出しについて、繰り返しその債権を担保する抵当権を言います。

借りたり返したりが繰り返される場合には、便利な権利です!

 

債権

不動産にまつわる債権とは、賃借権のことですね。

借りたり貸したりする権利のことです。

先程紹介したままです。不動産所有者は入居者から賃料を受け取る権利があり、部屋を貸し出す義務があります。

一方で入居者は、部屋を借りる権利を有し、賃料を支払う債務を持ちます。

 

人と人とのつながりがある権利を債権と呼びます。

 

まとめ

今回は不動産の権利についてお伝えしてきました。

不動産ではなくても当然に誰しもが持っている権利ですが、不動産においては絶対に知っておきたい知識です。

 

今まで権利について意識をしたことがなかった方も、不動産相続をきっかけに「権利」について知っておきましょう。