相続手続き全体の手順・流れと必要書類

相続手続きがはじまったらどのような流れで手続きを進めればいいのでしょうか。
相続はいきなりはじまるからこそ手続きの流れや必要書類などで戸惑うはずです。

 

この記事では相続手続きの全体的な流れや必要書類ついて説明します。

 

 

相続手続きの全体的な流れ

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相続手続きをスムーズにこなすためには手続き全体の流れを知っておくことが重要です。

 

相続手続き全体の流れを知っておくことで、まずどの手続きから着手すべきか、優先的な手続きは何かがわかるはずです。

 

相続手続き全体の流れは以下のようになっています。

 

相続手続きではまず相続人や遺産の調査を行う

相続手続きではまず相続人や遺産の調査を行います
相続手続きを進めようにも、遺産や相続人がわからなければ進めようがありません。

 

相続人の調査は戸籍などを使って行います。
遺産の調査は個人の通帳や名寄帳などを使って進めることになるのです。

 

この他に故人の遺言書がないか確認しておきましょう。
遺言書があれば、基本的に遺言書に沿って相続手続きを進めます。
遺言書の書類によっては検認手続きが必要になるため注意してください。

 

相続放棄や限定承認などを検討する

相続放棄や限定承認は「相続があったことを知ってから3カ月」が期限になります。
遺産の調査をして負債が多ければ相続放棄や限定承認を検討する必要があるのですが、手続きに期限が定められているため注意が必要です。

 

相続放棄などを行う場合は期限内に済ませられるよう、遺産調査なども迅速に行うことが重要になります。

 

相続放棄や限定承認をする場合は裁判所で手続きを行います。

 

被相続人の所得の準確定申告をする

準確定申告とは、年度の途中で亡くなった被相続人の所得の確定申告になります。

被相続人の1月1日から亡くなった日までの所得を申告します。

準確定申告の期限は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内です。

 

相続人全員で遺産分割協議を行う

相続人の話し合いで遺産を分割する場合は遺産分割協議を行います。

遺産分割協議は相続人全員でしなければならないため、ひとりでも欠けていると無効です。

遺産分割協議で決めた遺産の分け方については、遺産分割協議書にまとめます

 

相続税の申告を期限内に行う

相続税の申告が必要な場合は相続税申告の準備をして期限内に手続きを行います。
相続税の手続き期限は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内です。

 

なお、相続税申告についてはすべての相続ケースが対象になるわけではありません。
相続税の基礎控除を超えない場合は特に手続きの必要はないのです。

 

遺産に応じた相続手続きをする

相続手続きの中でも優先度の高い手続きを済ませ、遺産分割なども終わったら、遺産に応じた相続手続きを進めます

預金などの場合は金融機関の窓口で相続手続きし、不動産については法務局で相続登記を済ませます。

 

この他の遺産についても、遺産の内容に応じた相続手続きを行う流れです。

 

 

手続きに必要な書類とは

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相続手続きには相続手続きの内容によって書類が必要になります。
相続手続きをスムーズに進めるためには、あらかじめ相続手続きに応じた必要書類を準備しておくことが重要です。

 

相続手続きに応じた必要書類を説明します。

 

金融機関の相続手続きの必要書類

金融機関の相続手続きとは、被相続人の預金を解約し相続人に預金を渡す手続きになります。

金融機関の相続手続きでは以下のような書類が必要になります。

 

  • 金融機関の手続きに応じた必要書類
  • 被相続人や相続人の戸籍謄本、住民票
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 相続関係説明図

など

金融機関の手続きに応じた必要書類とは、それぞれの金融機関の払い戻し依頼書などです。


被相続人が口座を持っている金融機関(相続手続きをする金融機関)から取得します。

 

不動産の相続手続きの必要書類

不動産の相続手続きとは、被相続人から相続人へと不動産の名義を変更する手続きのことです。

一般的に相続登記と呼ばれる手続きになります。

 

相続登記は法務局の登記窓口で行います。必要書類は以下の通りです。

 

  • 相続登記の申請書
  • 被相続人や相続人の戸籍謄本・住民票
  • 相続人の印鑑証明書不動産の関係書類
  • 遺産分割協議書

など

 

相続ケースによって不動産の相続手続きの必要書類が変わってくるため注意してください。


なお、司法書士に不動産の相続手続きを依頼する場合は委任状も必要です。

 

相続税申告に必要な書類

相続税申告は期限内に管轄の税務署で行います。
相続手続きの必要書類は以下の通りです。

 

  • 相続税の申告書
  • 被相続人や相続人の戸籍謄本・住民票
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産に関する書類

など

 

相続税申告の必要書類は遺産の内容によって違います。
たとえば遺産に不動産が含まれていれば不動産に関する書類が必要になるのです。

 

相続税申告は必要書類が複雑になりがちなので、専門家に相談して準備することをおすすめします。