親子ローンと相続

昨今、様々な金融商品が販売されています。

住宅ローンについても夫婦ローンもありますし、親子でローンを組む親子ローンなどもあります。

 

 

今回は親子ローンで住宅を購入した場合の相続手続きについてお伝えします。

 

親子ローンとは

親子ローンとは例えば、二世帯住宅を建てるとか、親と子で同居するなどの時に利用できる住宅ローンの一つの形です。

 

親と子が同居するための住宅を購入する際に、親と子それぞれ安定した収入があり子が親の連帯債務者となるなどの条件のもとに親子ローンを組むことができます。

 

一人で住宅ローンを組む時と比べて、親と子の収入を合算しますので一人ではローン審査に通らないような金額でも住宅ローンを組むことができます。

 

親子ローンのデメリット

他方で、親子ローンは子だけが団体信用生命保険に加入するケースがあります。

ですので、親が亡くなった場合でも子だけで住宅ローンを返済していくことが必要となります。

 

団体信用生命保険とはいわゆる団信といわれており、住宅ローンの返済中に債務者が亡くなった場合、生命保険で残りの住宅ローンを返済するという保険です。

 

また、親と子の同居のために親子ローンで住宅を購入している場合、通常登記名義は親と子の共有名義になっています。

 

共有名義の不動産の相続

ただ、親に相続が発生した場合、子の兄弟などほかの相続人がいる場合にはその共有持ち分も相続の対象となります。

 

例えば、親と子の一人が持ち分2分の1ずつで二世帯住宅を新築したとします。

親が亡くなった場合、通常でしたらその持ち分2分の1について同居している子が相続したいと考えます。

 

しかし、不動産以外に預貯金などの目立った財産がない場合など兄弟間で不平不満がでてくるケースがあります。

 

例えば、不動産の時価が4000万円で親と子Aがそれぞれ2分の1ずつ持ち分をもっているとします。ほかに預貯金は1000万円ほどありました。

親が亡くなり、相続人は子Aと子Bの二人です。

 

親が亡くなった場合にその2分の1の持ち分(時価2000万円分)を相続したいと考えましたが子Bは預貯金だけでは足りないので自分の相続分を主張してくる可能性があります。

 

このような場合には子Bに不動産の持ち分をもたせる、あるいは子Aが不足分を代償金として子Bに支払う(代償分割)、最悪の場合二世帯住宅を売却して金銭で分配するということにもなりかねません。

 

子が複数人いる場合には親子ローンを組む場合には子の間に不平不満をださないように生前から対処をしていたほうがいいでしょう。

 

簡単に同居するといっても兄弟間で不公平感がでてしまうと亡くなった後の相続で問題となる場合もあります。

 

 

ですので、「不動産の持ち分は子Aに相続させる」といった内容の遺言を残すなどの相続対策を積極的に行ったほうがいいと言えます。