故人が残してくれた不動産、使用する目的がないからと言って放置していませんか?売却してしまえば良い話ですが「まあそのうち」なんて言って、放置していると“損”をしてしまう可能性があります。
はたまた使途が決まっていないからと言って生前に売却して現金に変えてしまおう!と思っている方もいるかもしれません。
じつは、最終的に不動産を“売却”するのであれば、相続後3年10か月以内に売却してしまったほうがお得なんです。
ただ、生前もしくは死後どちらに売却してしまったほうが“お得なのか”については、ケースバイケースです。ひとつ間違いなく言えることは、相続した不動産を“売却”するのであれば3年10か月以内に売却したほうが“お得である”ということ。
今回は、相続した不動産を売却するなら3年10か月以内がお得である理由や、売却活動開始から売却完了までの“期間”について詳しくお伝えしていこうと思います。
相続した不動産を売却するなら相続後3年10か月以内に売却!
相続した不動産を売却する際になぜ3年10か月以内だとお得なのか?その答えは“取得時加算の特例”を利用できるからです。
いきなりむずかしい言葉が出てきてしまいましたが、まずは、不動産売却時の税金から説明します。取得時加算の特例についてとても重要な事項なので、しっかりと目を通してくださいね!
相続した不動産を売却して“儲け”が発生した場合には、「譲渡所得」として課税対象となります。この“儲け”は、【取得費(故人が購入した際の費用)-売却価格=儲け】で計算されます。
そのため、大前提として故人が残した不動産の“取得費”を把握しておかなければいけません。(わからなければ損します)もしも相続不動産が随分昔に購入されたものであれば、現在の価格に換算すると莫大な金額になっている可能性があります。
そのため、できるだけ“儲け”の部分を減らしたいはずです。儲けが減れば、当然、課税額も減少するためです。では、どうやって儲けを減少させれば良いのか?といえば、「取得費を増額してしまえば良い」ですよね。
「えっ!?そんなことできるの?」と思った方も多いことでしょう。じつは、取得時加算の特例を利用することで、可能になるんです。
取得時加算の特例を利用することで、実際に支払った“相続税”を加算できるため、大幅に取得費を上げることができるのです。ただし、この取得時加算の特例は、相続時から3年10か月以内までという期限が設けられているので注意してください。
売却までの期間も考慮しよう
「相続から3年10か月以内?まだ時間的に余裕だな、まあそのうち」と思った方。不動産はそう簡単に売却できません!
不動産を売却する場合には、不動産仲介会社を介して個人等と取引を行う媒介契約と、不動産会社に不動産を買い取ってもらう“買い取り制度”があります。媒介契約は3つの種類があり、とても魅力的な不動産であれば、すぐにでも買い手がつくかもしれません。
しかし、媒介契約の種類やあまり人気のない不動産であれば、買い手がつきにくく数か月から数年単位で売却できない可能性もあります。
また、買い取りであれば、すぐにでも売却が可能ですが媒介契約よりも安い金額での売却になってしまうので注意してください。
まとめ
今回は、相続不動産の売却期間についてお伝えしました。
相続当初は相続人での話し合いや故人の意思確認など、なにかとバタバタしていたことでしょう。
すこし落ち着きを取り戻した頃にやっと不動産売却を検討し始める方も多いのではないでしょうか。もしも不動産を売却するのであれば、できるだけ早く、3年10か月以内に売却できるよう目指してみてはいかがでしょうか。