不動産を共有で相続することのデメリット

被相続人の財産を分ける遺産分割協議は非常に難しいものです。

特に不動産がある場合は、誰が不動産を相続するか話し合うことで揉めることもあります。

完全に平等に分けるために不動産を共有しようと考える人も多いでしょう。しかし、不動産を共有することで、さまざまなデメリットがあります。

 

不動産を共有で相続することが多いケース

どのようなケースで不動産を共有で相続することになるのでしょうか。不動産を共有で相続するケースについて確認しておきましょう。

 

不動産が財産の大半を占めているケース

不動産が財産の大半を占めているケースでは共有せざるを得ないことが多くあります。
例えば相続人が二人で自宅不動産が5,000万円、預金が1,000万円の場合不動産を共有しなければ財産を平等に相続することはできません。

 

話し合いをする時間がないケース

相続税の申告期限は10ヶ月と短く、遺産分割協議をギリギリで始めた場合、誰が何をもらうかという話し合いができないケースが多いです。不動産を共有することで全ての財産を平等に分割できるため、早く遺産分割協議を終わらせるために共有で相続するケースがあります。

 

不動産を共有することで起こるデメリットとは

不動産を共有することで、どのようなデメリットが発生するのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

 

意思決定ができなくなることがある

不動産を共有するということは売却や建物の建て替えや修繕をするために、全員の意思を確認する必要があります。共有となり、持ち主が増えれば増えるほど意思決定が難しくなります。
また、共有で相続した人の相続が発生すると、さらに共有者が多くなることもありますし、相続人が変わると、兄弟同士からいとこ同士になり、関係も遠くなってしまい合意形成が難しくなります。

 

メンテナンスの負担に不公平が生じる

不動産は金融資産と違い、現物資産ですので、掃除や草抜きなどの物理的なメンテナンスが必要となるケースが多くなります。
多くの場合、近くに住んでいる人に負担が偏るケースが多く、負担がかかっている人が不満に思うことがあります。
明らかにメンテナンスの負担が一人にかかる場合は共有を回避したり、負担がかかる人の持分を大きくするなど検討した方が良いでしょう。

 

共有は慎重に検討を

遺産分割協議をする際は共有にすることで、簡単に平等に分けられます。
しかし、相続後のメンテナンスなどの際に不公平が生じやすいため共有で相続する場合は慎重に検討する必要があります。